流涙の方が来ました。涙が鼻に抜けていく穴が4箇所ありますが、右上の穴だけ通っていて、残りの3箇所は閉塞していました。
胃がんの治療のために1年間TS-1という抗癌剤を内服していたそうです。この抗癌剤を飲むとフルオロウラシルが涙液に出て、涙道粘膜に癒着を生じ涙道閉塞を起こします。TS-1使用患者の10~18%に涙道閉塞が起こると報告されています。特に涙小管閉塞が多いです。
今回の方は左眼は上下とも涙小管が閉塞していたので、左眼の流涙が強く、右眼の上方は通水が良好なので、左は治療の対象になります。入り口から近いところが閉塞していたので手術の難易度はかなり高いと思われます。