黄斑分離
強度近視の患者さんで視力が低下する方がいます。網膜の断層写真を撮ってみると黄斑部の網膜が分離していることがあります。断層写真を撮る機械が開発されてからこの病気が認識されるようになりました。
手術
黄斑分離に対する手術治療は難しいです。
手術しても網膜が戻らず視力が改善しないどころか、むしろ視力が低下してしまう場合があるのと、手術すると黄斑円孔が生じることがあるためです。網膜が薄くなっているので内境界膜剥離をすると黄斑の一部も剥がれてしまい黄斑円孔が生じることがあります。なので分離の手術では中心窩の内境界膜の剥がし方に工夫が必要です。ガスは入れなくてもいいです。
黄斑分離から生じる黄斑円孔
通常の黄斑円孔は硝子体の牽引によって生じると言われています。
それとは別に黄斑分離から黄斑円孔を生じることがあり、分離を伴う黄斑円孔は予後不良です。
黄斑円孔網膜剥離はさらに難しいです。内境界膜を剥がそうとすると、剥がれた網膜もついて来てしまうのでやりづらいです。手術しても治るのが51%という報告があります。剥がした内境界膜を円孔に詰めるinverted flap法が有効です。