●糖尿病性網膜症の検査について
糖尿病網膜症かどうかを診断する場合、問診・視診後に、以下のような検査を行うのが一般的です。
視力検査
他の目の疾患と同様に、視力検査はやはり重要な検査です。特に矯正視力は診断において重要で、矯正視力が1.0以上出ないようなら何らかの異常があると推測します。糖尿病性網膜症が原因で黄斑浮腫や硝子体出血が起こると視力が低下します。重症になると増殖膜ができてそれが網膜をひっぱって牽引性網膜剥離を起こします。この状態は最重症例で、治療はかなり難易度の高い手術が必要になります。
眼底検査
目の奥に光をあてて網膜を直接観察し、網膜やその血管の状態を調べます。散瞳(点眼により瞳孔を大きくすること)のうえ検査をすると、微細な出血も把握できます。糖尿病性網膜症が原因で様々なことが眼内に起こります。硬性白斑、軟性白斑、黄斑浮腫、網膜出血、新生血管、硝子体出血、増殖膜、牽引性網膜剥離などです。それらを把握するために眼底検査を行います。特殊なレンズを使用すると立体的に観察できるので、どの程度の牽引が網膜にかかっているのか、剥離の程度はどうかなど把握することができます。
蛍光眼底造影検査
腕の静脈から造影剤を注入しながら眼底カメラで目の奥の血管を撮影し、血管の形状や血液の流れ、網膜の血管からの血液成分のもれや新生血管の有無などを調べます。新生血管がある場合はレーザー治療の適応になります。
光干渉断層計(OCT)検査
眼底に近赤外線を当て、その反射波を解析して、層構造をした網膜の断層像を描出し、網膜の状態を調べます。黄斑浮腫や網膜剥離や網膜下液などの状態を立体的に把握できます。