●糖尿病網膜症とは
糖尿病が原因で目の中の網膜が障害を受け、視力が低下する疾患を糖尿病網膜症と言います。この疾患は、糖尿病性三大合併症(糖尿病腎症、糖尿病神経症)のうちのひとつです。ちなみに合併症とは、ある病気が元になって起こってくる、別の病気や症状のことです。
●糖尿病網膜症発症のしくみ
通常健康な方であれば、血液中のブドウ糖は、インスリン(血液中の糖分を組織に取り込ませ、血糖値を下げる働きをしているホルモン)の作用によって細胞に取り込まれてエネルギー源になったり、脂肪やグリコーゲンという物質に変換されて肝臓や筋肉に蓄えられたりします。
しかし、糖尿病になると血液中のブドウ糖が細胞にうまく取り込めなくなり、血液中のブドウ糖が過剰な状態になります。この状態が長期に続くと、全身の血管に障害が現れ、糖尿病細小血管合併症(糖尿病性三大合併症など)を引き起こします。
糖尿病網膜症は、血液中のブドウ糖の過剰な状態が続くことによって網膜の血管が損傷を受け、血管が詰まったり、変形したり、出血を起こす状態です。