硝子体手術
黄斑前膜
この前の硝子体手術は黄斑前膜の手術でお願いされましたが、写真を見ると黄斑部の網膜内に亀裂が入っていました。黄斑前膜があると黄斑部に浮腫のような変化が起こり、網膜内に嚢胞のようなものができることはよくありますが、今回はそういうものではなく、切れている感じでした。網膜全層が切れているわけではなく途中まで切れているだけでした。網膜表面には亀裂はなかったです。
こういうのは黄斑円孔の初期のもので切迫黄斑円孔と言って、これから黄斑円孔が起ころうとしている状態です。今回はそれに黄斑前膜が合併したものと考えられます。
黄斑円孔は網膜に穴が開きやすい
黄斑円孔は女性に多い病気ですが、それが男性に起こると網膜に穴が開く合併症が起こりやすいです。今回の方は手術した感じは後部硝子体剥離(-)の黄斑前膜の手術でしたが、後部硝子体剥離を起こす時に網膜に牽引がかかり穴が開きそうになりました。無理に引っ張らないようにして硝子体の牽引を解除して事無きを得ました。
また、下耳側の周辺部網膜にすでに穴のようなものがあったのでレーザーを照射しました。
やはり黄斑円孔の要素があったようです。
最後は眼内にガスを入れて終了しました。黄斑前膜の手術を依頼されましたが、結局黄斑円孔の手術になりました。