美容外科で二重まぶたの手術をしたら、手術中に針が黒目に刺さってしまったから診てくださいと紹介を受けたことがあります。
角膜穿孔
角膜の中心に近いところに穴が開いていて眼内の水が漏れていて視力が低下していました。穴を縫ってしまえば水の漏れは止まりますが、縫ったところに不正乱視が出てしまい視力が低下してしまうので、縫わずに治療することにしました。
治療
治療用のコンタクトレンズを入れて傷を覆うようにして、眼内の水の漏れを減らすために水の産生量を減らす薬を入れて、ばい菌が入らないように抗生物質も使いました。
1週間程度で自然に傷が閉鎖して水の漏れが止まり、視力も少し上がりました。傷が完全に閉鎖して上皮化してからしばらく視力は0.8くらいでしたが、数ヶ月後に1.0まで回復しました。
千葉の病院にいた時は角膜裂傷や角膜穿孔は激しいものが多く、傷の大きい症例が多かったです。工場で働いている方が多かったですが、海が近かったのでサーフィン外傷といってサーフボードが目にあたってまぶたや眼球に裂傷ができて受診する方がいました。