多焦点眼内レンズにはいくつか種類があります。
屈折型
- 遠方視が鮮明で、中間距離も良好な視力
- 瞳孔径が小さい場合には近方視力が低下する
回折型(Tecnis Multiなど)
- 遠方、近方視力が良い
- 中間距離は視力不良
- 入射光の20%を喪失するのでコントラスト感度が低下する
分節状屈折型(Lentis Mplus)
- レンズが上下に分かれている
- 上65%が遠用、下35%が近用
- 瞳孔径が小さくても近用が作用する
- 上下に分かれる線が一本あるだけなのでハロー、グレアが少ない
- 屈折度数にずれが起こっても、裸眼視力が落ちにくい
- 乱視が増えても裸眼視力が落ちにくい
多焦点眼内レンズは単焦点眼内レンズより度数ズレや乱視の影響を受けやすく、裸眼視力が低下することがありますが、分節状屈折型ではその影響が少ないという報告があります。上下に分かれているだけの単純な構造のため、単焦点レンズに近い性質を持つようです。