多焦点眼内レンズにはいくつか種類があります。三焦点、二焦点や焦点領域が拡張されているものなどです。
そこで次の論文を読みました。
論文
2種類の新型多焦点眼内レンズの比較:3焦点眼内レンズと焦点拡大眼内レンズの比較」
「Visual performance after bilateral implantation of 2 new presbyopia-correcting intraocular lenses: Trifocal versus extended range of vision. Monaco G, Gari M, Di Censo F, et al.
イタリアの先生が書いた論文です。
2種類の新型回折型多焦点眼内レンズの視力予後と見え方の質を単焦点眼内レンズと比較するという内容です。
方法
両眼白内障手術を施行し、3種類の人工レンズ
①3焦点トリフォーカル眼内レンズ(Panoptix)
②焦点拡大型多焦点眼内レンズのシンフォニー(Symfony)
③単焦点眼内レンズ
を眼内に挿入して、術後の見え方の質を比較したものです。
比較したのは遠方・中間・近方視力、メガネを使用しているかなどです。
結果
術後4か月で、3焦点を入れた患者さんはシンフォニーに比べて、近方視力が優れていました。2つの多焦点眼内レンズは異常な光が見える現象が同程度ありました。単焦点眼内レンズは多焦点眼内レンズに比べると異常な光の発現率が低い結果でした。
まとめ
2つの多焦点眼内レンズは中間視力矯正に向いていますが、近方視力の矯正が必要な患者さんにはトリフォーカル眼内レンズの方が良いようです。異常な光が見える現象は多焦点眼内レンズで有意に多いようです。