涙囊鼻腔吻合術
涙嚢鼻腔吻合術で鼻粘膜と涙嚢を切開して観音開きして前方と後方を縫い合わせて通り道を作ります。その時、前方だけ縫う先生と前方と後方を両方縫う先生がいます。
Med Arch. 2014;68(1):54-6.
External dacryocystorhinostomy with and without suturing the posterior mucosal flaps.
Kaçaniku G, Begolli I.
涙嚢鼻腔吻合術の後方の粘膜弁を縫ったほうがいいかどうかを調べています。
内容
涙道障害のあり涙嚢鼻腔吻合術鼻外法を受けた106人を対象として調べました。
グループAは54人で、前弁と後弁両方を縫合しました。
グループBは52人で、前弁のみ縫合し、後弁は切除しました。
結果
通水可能となって、流涙が落ち着いたかどうかを評価しました。
通水可能となったのはグループAは94.4%、グループBは96.2%でした。
両グループで有意差はありませんでした。
まとめ
前弁の縫合のみで十分で、後弁は切除しても縫合しても術後成績に影響しないという結果でした。
後弁を縫うと篩骨蜂巣からの出血を粘膜で覆う事ができるので出血が減ります。後弁は深いところにあるので縫うのは手間ですが、出血が減るのなら縫うのも悪くないと思います。