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小山福澤眼科

眼科疾患

眼内炎に抗生剤全身投与しても最終視力は変わらない

投稿日:2018年6月2日 更新日:

眼内炎

今まで自分で眼内炎を起こしたことはありませんが、他院で起こった眼内炎が紹介されてくることがあります。そういうときは抗生剤の全身投与と硝子体手術をします。

内容

術後眼内炎に対する治療効果として、早期の硝子体手術と早期の抗生剤全身投与を検討する。

対象

白内障手術または人工レンズ2次挿入手術を受けて6週間以内に眼内炎を発症した患者420人を対象とした。

結果

抗生剤全身投与をしても最終的な視力に差はない。
眼内炎発症後の視力が手動弁以上の患者は、早期の硝子体手術を受けても受けなくても最終視力は変わらない。
しかし、眼内炎発症後の視力が光覚弁の患者は、硝子体手術を受けると視力が改善して失明の頻度が減少する。

まとめ

眼内炎が起こったら、抗生剤の全身投与は意味がないという結果です。硝子体手術は光覚弁の患者には有効でも、手動弁以上の患者には必ずしも必要ではないという結果です。

眼内炎で紹介されてくる患者には全例硝子体手術をしています。さらに入院の上、抗生剤の全身投与を行います。やってみると実際は良くなって視力が改善することがあります。
眼内炎にも程度があり、激しいものから軽いものまであります。激しいものは迷わず手術+抗生剤投与をするとして、軽症患者はどうするかです。今回の結果を真に受けると軽症患者は何もせずに経過観察ということになりますが、診た時点で軽症でも時間が経過すると重症になることもあります。その人が将来重症になるかどうか見届けている余裕はないので、やはり全例硝子体手術を施行した方がいいと思います。
この報告は1995年のものなので硝子体手術の機械の性能が現在よりも劣るため、硝子体手術の結果が過小評価されているかもしれないです。現在は機械が良くなっているのでもっと治療成績がいいと思います。

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