糖尿病黄斑浮腫の治療で抗VEGF抗体の硝子体注射をしますが、患者さんによって効く人と効かない人がいます。
網膜の下の脈絡膜の厚みが指標になるようです。
論文
脈絡膜厚は糖尿病性黄斑浮腫に対する抗VEGF療法の反応の予測因子となる
Baseline choroidal thickness as a predictor for response to anti-vascular endothelial growth factor therapy in diabetic macular edema
Am J Ophthalmol 2015, 159: 85-91.e3.
内容
糖尿病性黄斑浮腫(DME)において、中心窩下脈絡膜厚と、抗VEGF注射の治療効果に関連があるか検討されています。
方法
未治療のDME患者42例53眼に対し、ルセンティスまたはアバスチンを毎月1回連続3か月間硝子体注射して、OCTで中心窩下脈絡膜厚と中心窩網膜厚(CMT)を測定しました。単変量・多変量解析を用いて3か月の経過観察時に評価しました。
結果
VEGF阻害薬を連続3回投与した後、中心窩下脈絡膜厚は有意に減少しました(投与前225μm→3か月時201μm、p<0.0001)。
黄斑浮腫のが小さくなった群(32眼)は,効果が弱かった群(21眼)に比べて、注射前の脈絡膜厚が大きかったです。
視力が改善した群(28眼)は,視力の改善が弱かった群(25眼)に比べて、注射前の中心窩下脈絡膜厚が大きかったです。
結論
注射前の中心窩下脈絡膜厚は、抗VEGF抗体硝子体注射の反応が良好であるかを予測するのに使えるかもしれないです。注射前の中心窩下脈絡膜厚が厚いほど、注射の反応が良好であったという結果でした。